SaaS事業のマーケティング活動において、顧客に認知し、サイトに流入してもらうためにいくら予算を投下するかということが重視され、意外と対策できていないのがサービスサイトの「サービス紹介資料ダウンロードページ/フォーム」です。
CVRが、数ポイント改善するだけでもCPAの低下、CV数の増加が期待でき、絶対に力を入れたい領域の1つです。
今回は、SaaSマニア編集長が独断で選んだ日本のSaaS50サービスを調査・分析した内容を紹介します。
サービス紹介資料ダウンロードページやフォームの改修の参考にしていただければと思います!
資料ダウンロードで個人情報を取得するサービスの割合
今回のSaaS「資料ダウンロードページ/フォーム」で調査対象の50サービスの内、サービス紹介資料ダウンロード時に個人情報を取得していたのは46サービスで、92%のサービスが個人情報を取得していました。
個人情報を取得していないのは下記4サービスで、それぞれCVポイントとして設定している内容を紹介します。
- トヨクモ:無料利用、相談申込(問い合わせ)
- kintone:お試し利用、相談申込
- サイボウズOffice:無料利用、導入相談(メール、オンライン相談)
- LINE WORKS:サービスダウンロード、導入相談
資料ダウンロードページは、1カラムと2カラムどっちにすべき?
今回の調査では、約 のサービスが資料ダウンロードページを2カラムに分けておりました。(左側:資料説明・画像、右側:フォーム)
2020年に調査した際は、資料ダウンロードページを2カラムに分けているサービスは60%ほどでしたので、 ポイント増えたことになります。
1カラムの場合は、資料ダウンロードフォームに辿り着くまでにスクロールする必要があり、そこで離脱率が上がってしまうことなどによって、2カラムにデザイン変更するサービスが増えているのではないかと予想されます。
資料ダウンロードフォームの項目数はどれくらいが適切
グラフは、各サービスの資料ダウンロードフォームの項目数をカウントして集計したものです。
一番項目数として多かったのが「8項目」でした。
4年前の調査では5項目が多かったため、「リードの数を最大化する」という考えから、「リードのステータスを把握する・営業が顧客の状態に合った架電しやすくする」という考えのサービスが増えたことが考えられます。
資料ダウンロードフォームの項目の種類・内容
各サービスの資料ダウンロードフォームを調査し、3つ以上のサービスが採用しているフォームの項目をまとめました。
基本的に「名前」「メールアドレス」「会社名」「電話番号」は多くのサービスが取得しており、付け加えて「部署」「役職」「従業員数」などの項目を追加で取得しておりました。
サービスの領域やターゲット層によって、エリアを取得したり職種まで取得するなどの工夫が見られました。
資料ダウンロードフォームの一番最初の項目
フォームの一番最初の項目は、「会社名」もしくは「個人の名前」のどちらかでした。
6割弱のサービスは、「会社名の後に個人名」を入力させるように設計されていました。
残りのサービスは、最初に個人名を記入する設計になっていますが、2番目の項目は必ずしも会社名の項目ではなく、メールアドレス・会社名・電話番号の順に多かったです。
資料ダウンロードフォーム下部のボタンのテキストは何と記載する?
フォーム下部のボタンのテキストは、「資料ダウンロード」が4割強、「送信する」が4割弱という結果になりました。
「次へ」とフォームを分割したり、カレンダーでの日程調整に繋げるサービスも1割弱見られました。
その他、受け取る・詳しく見る・申し込むという表現も見受けられました。
今回のSaaS「資料ダウンロードページ/フォーム」の調査で参考にしたい・気になったもの
今回の「資料ダウンロードページ/フォーム」の調査で参考にしたいと思ったポイントについて紹介します。
1.現在利用中のサービスについて取得する
画像引用元:バクラク経費精算_ダウンロードフォーム
今回、サービス資料をダウンロードするにあたり、全くの新規での導入なのか・リプレイスなのかで営業の仕方は大きく異なります。
インサイドセールスが架電する際のトークも取得した情報によって変えられるので、アポイント取得率の向上を期待できます。
2.具体的な課題についての情報を取得する
画像引用元:バクラク経費精算_ダウンロードフォーム
こちらも1と同じくバクラク経費精算のダウンロードフォームの項目の1つです。
やはり成長が著しいサービスは、かなり工夫されていますね。
資料ダウンロードのタイミングで、顧客が具体的に何に悩んでいるのかを取得しています。
多くのサービスでは、この情報は取得しておらず、お客様の課題はある程度予想した上でヒアリングするしかありません。
ただ、予め課題が絞り込まれていればインサイドセールスのヒアリング・提案のトークを事前に用意した上で架電できるため、こちらもアポイント取得率の向上が期待できます。
3.資料ダウンロードフォームページに導入企業ロゴを表示させる
画像引用元:資料請求 | タレントパレット | 科学的人事を実現するタレントマネジメントシステム
今回の調査で複数のサービスで見られたのが、「導入企業ロゴ」の表示です。
資料請求ページに表示させることで、大手企業にも多数導入されている安心感を与えられます。
サービスサイトのトップページやLPに表示させるだけでなく、資料請求ページでも活用されていたのが印象的でした。
他社の資料ダウンロードページ・フォームを参考にCVRを向上させよう
今回は、SaaSの「資料ダウンロードページ/フォーム」調査・分析について紹介しました。
近年で、リードの数を最大化させる施策からその後の営業トークにも活用できるような顧客情報を取得するようなリードの取得施策に変わっていることが印象的でした。
ぜひ、自社サービスのターゲット層やフェーズ、営業活動における課題からフォームの項目を見直してみてはいかがでしょうか。